人材
間違っていると私が考える人事をどう考えますか?
今回は、社員が「わくわく元気」になれないケースを紹介します。若い経営者諸君、他山の石として下さい。
人材たる社員の心のキズ
これはある会社で実際に発生した、又、発生していると聞いたことです。ある人事責任者の存在が関係する人事の影響についてです。外野からですが、何故会社がある一路をたどり元気がなくなっていくと皆が感じるかの一側面を、実例として見る感じです。
ある人が人事の責任者に就いてからというもの、その会社では人材の流出、特に優秀な若手人材の流出がすさまじいことは、兼ねてから耳にしていました。先日も、ある会合で会ったその会社の現役若手社員が、状況を次のように吐露していました。
「人件費を削減し短期的に利益を出すために打ち出したリストラ策はひどい結果でした。人事の責任者の好き嫌いで人事や評価をやっています。主要なポストには、その人の息のかかった人を配置するので、結局、その人事に不満な人が会社を去って行きます。しかも、残って会社を支えてほしいと思う人材は、将来展望の無さと情実人事に嫌気がさして先に去ってしまい、残っている人は、どちらかと言えば骨抜きにされた人だけです。その結果として、我々に負担がかかってきて残業ばかり、もう限界です。好き嫌いで人事をやっているようなこの会社の将来が不安です。私も近々辞めます」。
又、その人事責任者に対する競合各社の評判も同様のようで、競合各社にとって嬉しい限りとのことです。
人材こそ会社の財産という意識
この人事責任者は、一般論でいうと株主にとってはすこぶる都合のよい人かもしれませんが、これでは人材が財産である会社が全く人材無しの状態になり下がってしまいます。かつては、競合会社がこの会社の方策の一挙手一投足を気にしながら経営をしていたものでしたが、今では見る影もなしと、先述会合でお会いした皆さんが無念がっていました。
「その人事の責任者の保身のための好き嫌いと見える人事を何故会社が許し、社員を『おもちゃ』的に扱うことを黙認しているのか不思議なんです。『会社を駄目にしている』と皆が言うその人の存在に、何故株主は気がつかないのでしょうか、あるいは、あからさまに言えない他の事情があるのでしょうか」と、皆さん憤慨していました。
このことがもし事実だとしたら、内部で働く社員が可哀そうです。社員の心のキズが心配です。社会的に存在意義のあったその会社が人材という財産を棄損し、いとも簡単にある一途をたどるのを見るのは彼らにとって忍びがたいことでしょう。
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