ビジネスマンの成長 / 折々の言葉
あなたはビジネスマンとして成長する定石を知っていますか?(2)
前回の続きです。
たくさんの社員の成長を20年間経営者として見つめてきました。結論は、成長のための定石には、その深さの違いがあるとして、それぞれの役職レベルとはほとんど違いがなく、以下の共通点があると個人的には確信しています。
4.知的スキルを身につけることです。
ビジネスマンがランクアップするに従って全体構造を構築(コンセプト)する力が必要になります。今後、国際的な環境下で仕事をすることもますます多くなります。
そのため私の体験では、まず、数字力、すなわち、いろいろな事象を皆が同じ土俵で議論できるよう客観的な数字に置き換え、数字で説明できる力が必要となります。
また、法律の基本的な知識、特に、民法の総則部分や会社法の基礎知識があると実務での判断のよりどころとなり、全体構造の理論的バックボーンが明確になり説得力ある説明につながります。重要です。
加えて、ITの簡単なスキルも必要です。社内のほとんどの情報がIT化されている現状からすれば、必要な情報に早く近づくにはこのスキルが不可欠です。
言語、少なくとも、英語を自由に駆使してコミュニケーション出来る力も必要です。世界中どこにいてもコミュニケーションができる状態にあることは、ビジネスマンとしてたくさんのチャンスに得ることにつながります。
5.また、更に自分を磨くことです。このことが人に好かれ選ばれることに繋がるからです。
自分にとって最大の仲間群である部下との親密な関係をあなたは作っていますか?
無私の気持ちで部下と付き合う、上下の関係抜きに好かれる魅力、部下からも選ばれる魅力をあなたが身につけることが、あなたの今後の成長に不可欠なことです。もちろん、一緒に楽しみ、悲しむ友人、相談できる友人や仲間が必要です。
この人たちに好かれるには、相手を知り相手に役に立つための情報力を身につけ、この人と一緒に仕事をしたいと相手に思わせるあなたの共感度が決め手です。また、いろいろなことを調整できる力が欲しいものです。もちろん約束事を守る確たる信念とそれを実行できる基本的な力が必要なことは当然です。
私の身近にも幸いこのような人がいました。このビジネスコラムのほかの項(2012年11月1日「本物の人間力」)で書いた清水君の例などは明らかにこの範疇です。ご興味がある方は参考に開いてみてください。
6.自分にコントロール可能な部分は何かを見分ける力を身につけることです。
自分にできることと、できないことを見分ける視点を身につけると成長のための非常に大きな力になります。
簡単ではありません。問題を発見し上記の視点でものを見ることができるようになるには多面的、長期的で本質を見抜く力と関係、すなわち、本人の成長度と関係するからです。
しかし、ビジネスマンとして成長した人を見ると、この視点を持って対応・判断している人が多いのを見かけます。
7.次に重要だと考えるのは、自分自身を変革していく力を持つことです。
自分自身を変革するとは、自分自身が自分の想定を超えることです。
超えたと思う心理環境になれるのには決意と自由度が必要です。自分は絶対に変われるという熱い決意を持ち既存のやり方やルールを一旦疑い、自分で好きに考える自由度が必要となります。
私は会社再建時に体験しました。この時の自分の行動は、五感とイマジネーションを会社再建に向けてフル動員して自分を「変革できた」と感じたことを記憶しています。
自分自身を変革していくのは、違う表現を借りると「今を最大限生き」ながらも「変わる」ということになります。通常、一定の結果の得るには、こうしたいという目標を持ち、それを考え方に落とし、行動に移し、その結果を待つのが一般的です。
したがって、「変わる」には行動を変えるか、考え方を変えるか、こうしたいというアイデンチティーを変えるかしかありません。現実、最大の障害は「・・・をしたら・・・になるのではないか?」との失敗、マイナス面の可能性を恐れてなかなか行動できないものです。それでも、先に述べた決意と自由度さえあれば可能のことが多いと思います。
これらの五感の感性と想像力を駆使して、単に「正しいか、正しくないか」の二面判断のみではなく、非合理的なことも考慮にいれて多少遠回りしてでも自由な発想に沿って考えていくことです。この積み重ねで自分自身が変わり成長していった実感につながります。
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