ビジネスマンの成長 / 折々の言葉
あなたはビジネスマンとして成長する定石を知っていますか?(1)
あらゆるビジネスマンが自己の成長を願って、さらに力をつけたいと日々努力をされていると思います。本日はこの力を強化するためにどうすべきかについて私の体験を交えて書きます。
たくさんの社員の成長を20年間経営者として見つめてきました。結論は、成長のための定石には、その深さの違いがあるとして、それぞれの役職レベルとはほとんど違いがなく、以下の共通点があると個人的には確信しています。
1.まず、自分の明確な考え方、哲学、違う言葉で言えば、理念を再度考え直してみることです。
私の場合も、実質倒産寸前の会社を建て直すにあたって、それまで培ってきた自分の哲学、考え方が、会社の成長にはもちろんのことその後の自己の成長にも非常に役立った実感を持っています。
当時周辺の会社の苦境を見聞きしていて、私自身一番心が痛んだのは会社の倒産によりその会社に関係していた社員やその家族が非常に不幸な目に合うことでした。生活に困窮して一家離散などにつながることも見ました。
このようなことが起きないように、経営者として自らを律し会社の成長にすべてのエネルギーを注ぐことを心掛けました。また、「社員を大事に」しながら社員と会社を成長させるという基本的な哲学、考え方を持ち、この考え方を会社のビジョンや理念の中に明確に織り込み、それに向かって自己の情熱を傾けていったのです。
この情熱が以後の自分の人生を積極的に生きるエネルギーにもつながったように思います。
2.考える力を蓄えることです。
このコラムのほかの項でも「How to」にたけている人よりも、「Why」を考える人こそ重要だと主張しています。
現在は細かい情報が氾濫しており、ある課題に対してその解答を得るための「How to」は教える人や機会が沢山あると思いますが、思考のルートやヒントを与えてくれる人や機会が意外に少なくなってきてはいませんか?
人間がレベルアップしていくには、起こりうるいろいろな事象に対して、それを克服するための応用問題を解くことが要請されます。全体構想力(コンセプト力)に関係します。
また、応用問題を解くアプローチが沢山あり、どのルートを選ぶかの選択力も要求されます。判断のために考えることです。
ある固有の問題は早く解けるが、違う応用問題に直面した時には解けなくて自己の思考の深さの限界を知ることはありませんか?「さらに、努力しなければ」と、思うことはありませんか?
個人的には、深さのある回答方法を見つけるルートのほうがその人の将来の成長には望ましいと思います。このようにビジネスマンが考える力を養うことに投資を惜しまない姿勢が欲しいものです。
3.さらに、コミュニケーション能力を早い段階で磨くことです。
コミュニケーションと表現すると何となくきれいに響きます。
しかし、その主旨が、伝えたいことを伝えたい、汲み取りたい本当の意見を汲み取るために双方の貴重な時間を費やして行うことを目的としていると考えると、綺麗ごとでは済まされません。
実態はもっと「人間臭い」ものではないかと思われます。生身の人間同士の話し合いですので、「対話」(ダイアログ)力と表現するほうがその実態に近いかもしれません。
人間臭い対話(ダイアログ)を成立させるためのビジネスマンの姿勢として私が過去も今も重視しているのは、
- 日常的に挨拶をすること
- 上下の身分上の姿勢をださないこと
- 本気で真剣みを持って、相手も整理された意見を言えないことがあっても、我慢して相手の話を聴くこと。しかも、共感性(Empathic mind)(同情、Sympathyではありません)をもって聴くこと。この同じ目線で「傾聴する力」がポイントとなることを意識すること
- 会話のやりとりで、双方向性(一方方向でない)に配慮すること、自分が話しすぎないこと
- 相手の興味を抱くことに話の焦点をできるだけ絞ること、まず相手の話題に集中すること
- 出来ない約束はしないこと
- 座り方で対峙する座り方や腕組み、横柄な態度は避けること
こういう姿勢で対話をすることを習慣としていくと、相手との考え方の違いが浮き彫りになりながらも、真摯に話し合うことを通じて相互の信頼を築くことになります。
新しいアイデアを相手からもらいながら、自身の考えとミックスすることから共同で新しいものを作り上げることができる喜びも味わいます。
メールのやりとりでも内容はもちろん伝わります。しかし、問題は話すその瞬間に相手が納得するかです。相手の顔色、言葉に対する反応などを読みながら対話するには、フェーストゥーフェースの対話が望ましいことが多いと考えます。
さらに、どんな対話でも一回の伝達でその真意が伝わることは、せいぜい10%位。視点を変えて繰り返し話しあうことが臨まれます。
理由は、相手側からすれば、なぜ、そういう内容の発言になるかの背景が分からない場合や対話する相手側が受信モードになっておらず、当面自分とは関係ないと勝手に推測され、身を入れて聴く気にならない場合があるからです。また、対話する側に相手に刺さるあなたのキーワードが不足している場合もあります。
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