人材育成 / 折々の言葉
私が考える社長の仕事
社員にはできないことをするのが社長の仕事です。会社という組織体の中で経営の仕事をするのが社長の仕事です。
社長は孤独であると良く言われますが、本当でしょうか。「考える」レベルでは誰でも孤独です。したがって、このこと自体社長の独占事項ではありません。
「判断する」ことは独占事項ですが、会社組織の中で相談しながら最後の判断をするわけで、本当に一人で孤独で判断をすることなどそう多くはありません。私の20年の経営体験でもそのようなことは10回くらいでした。スケールは全く違いますが、故ケネディー大統領がキューバ危機の時に、戦艦をキューバ沖に派遣した時の決断などは本当の孤独といえるかもしれません。
衆議独裁
衆議一決の民主的方式では、その会社から斬新なことが出て来ないとよく言われます。本当でしょうか。自分の考えと社内外の知恵を集めて、最後は自分の考えを修正変更して、これを衆議独裁と言えば、これが一番良いかもしれません。完全に独善的な決断で上手くいく事例はそう多くないと私は推量します。
忍耐力
社長の最大の仕事は忍耐力でしょう。自ら遂行した方が早い案件が沢山あります。それでも誰かに託し、その出来上がりを忍耐強く待って意見を言わないと、その人の教育ができなくなります。これぐらい忍耐のいる仕事はありません。
一番商品の仕立て
一番になるために何をするかが社長の仕事です。企業が長く存在するにはNo.1商品をどれだけ沢山持っているかです。どうしても売上や出荷の数字を気にしてどんどん新しい商品を出してくる傾向がありますが、どこかで整理して削減しない限りその会社のエネルギーを特定の商品に注力してNo.1に仕立て上げることが難しくなります。
仁や義
論語では仁や義を教えます。マキャベリや韓非子では人間は利で動くと教えます。どちらも正しいことを言っているはずです。どの状況で見るか如何ですが、私はあまりに打算的に人間や社員を見るのが経営上妥当かについては、大きな疑念を持ちます。「農耕型企業風土づくり」を通じて会社を経営するには信頼することを主眼としていました。やはり、利より仁や義ではないでしょうか。
泰然自若としていることです。特に、悪い知らせに対していちいち動じない、そんなこともありうるくらいの姿勢で対応すると良いのではないでしょうか。
体系的に経営自体を理解し運営するには、私は経営者はプロとして育成されるべきだと考えています。しかも、その国の文化的背景を最大限加味した経営スタイルが望まれると考え、この主張を『これからの課長の仕事」(2011年)と『これからの社長の仕事』(2012年)を述べました。ご興味ある方は是非、ご参考にしてください。
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