ビジネスマンの生き方 / 折々の言葉
したたかな生き方(1)
私は、タンポポやオナモミの生き方が好きです。タンポポはご承知の通り、アスファルトの裂け目や極寒の地という厳しい環境下でも芽を出し花を咲かせるほどです。
オナモミも特段好きな草ではありませんが、その生き方が好きです。場所によって呼び名が違うところがあるかと思います。キク科の草ですが、この草のタネの被害にあわなかった人はいないほど繁殖のツールを持っている草です。
小さい時田舎の出雲で、タネになる前のオナモミの果実部分を投げつけて遊んだ経験があります。学生時代、東京に来てもオナモミがありました。叢に入ると果実の周囲の沢山の刺が衣類に刺さり、取るのに一苦労した経験があります。テキサスのブッシュの中で野兎のハンティングに行った時も、オナモミの刺を洋服から取るのに苦労しました。すなわち、世界中に生育する草です。
両方とも生命力のある草で一般に雑草と言われています。私は雑草の花も大好きになり、時々これを写真撮影していますが、多様性のあるしたたかな生き方に興味があります。雑草は一見弱い植物に見えますが、上記のとおりその実は生き方がしたたかなのです。
自然界は我々人間が想像する以上に弱肉強食の世界で、その中で雑草はどんな過酷な環境でも生きていきます。耐えて耐えて生き続けます。ビジネスマンに例えれば、他の競争者が参入を尻込みするような業種、業界でも頑張るような生き方です。雑草のようにいわゆる名を捨ててでも耐えて勝つ生き方です。
植物には、自宅前の公園の欅の大木のように他の植物に競争で勝って生きる方法をとるもの、テキサスのサボテンなどのように他の植物が生きられないストレス条件下で生きる方法をとるもの等、雑草とは違う生き方をしているものもあるようです。どれが植物にとって良い生き方かは植物に聞いてみないとわかりませんが、そのしたたかさは人間の生き方にも少し参考になるのではないでしょうか。
ビジネスマンの多様な生き方
ビジネスマンも歩む生き方は多様です。皆さんはどれを選んで生きていますか?結果として、その生き方になったかもしれません。主義主張は変えないが、変えたふりをしてでも耐えて生き抜くしたたかな生き方をしている人も多いはずです。それもまた素晴らしい生き方です。
ところで私はその花は別として、雑草自体を最初から好きな植物の範疇には入れていませんでした。しかし、ある時から好きになりました。実質倒産寸前の会社の経営を託された過程で、雑草の生き方と私の経営方法に共通する何かがあると感じたからです。今振り返ってみると雑草の生き方から世の中の変化や逆境をどう味方にしながらビジネスマンとして生きるかの知恵を学ぶことになりました。
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