企業風土(文化) / 折々の言葉
それぞれの国にそれぞれの企業風土や企業文化があることを前提に施策を練っていますか?
国による文化(風土)の違いの認識
2012年2月、著名な指揮者、沼尻典竜氏の演奏会が三鷹でありました。演奏会後のパーテイーで沼尻氏と奥泉光氏(1994年、第110回芥川賞受賞者)との対談があり、その中で沼尻氏からこんな面白い話が出ました。
「ヨーロッパでは『ラ』のピッチが日本やアメリカより高いのです。だから、最初は音を合わせるのが大変ですが、そこはプロで、すぐ合わせてくれます。」と。音楽の世界ではありますが、国によってこんな文化の違いが現実にあることを、沼尻氏から教わりました。
また、フランスとドイツではチェロの弦の持ち方が違う(上から押さえるか、下から持ち上げるか)ということも聞いた記憶がありますが、この部分の真実は未確認です。
二次元と三次元
2012年春、私が主催する「わくわく元気会」傘下のコーチング品質保証コミュニテイー(松下信武氏主催)でも、文化や表現の違いに関する面白い議論がありました。
「農耕型企業風土」づくりで会社を中・長期的に成長させる方式を分かりやすくするために、『これからの社長の仕事』(ネットスクール出版)の巻末に私が書いた大木のイラストを記載しています。
このイラストは二次元なのです。
私としては「成長の流れをもっとリアルに表現するために三次元風にしたかった」と述べたところ、部会の参加者2名(佐々木研一氏、広川正人氏)からは違う意見が出て驚きました。
お二人とも建築設計や車の設計などの業務に直接・間接携わった経験をお持ちの方で、建築物や車の二次元図を三次元にしてプレゼンテーションされた経験がおありのようです。「日本人には二次元が合っています、浮世絵なども二次元で表現されていますし、日本人はこれらを見慣れています、逆に、イタリア人は、3次元で表現するのが凄く得意で、特に車など二次元の図面を三次元のモデルへ展開するのは、非常に得意です。」と。
日本人とイタリア人には明確に表現の差があるということを指摘頂きました。
「農耕型企業風土」づくりの経営
それぞれの国で表現方法の差、文化や風土背景の差が歴然としてあることを事実として認識し、この差を経営の展開の仕方でも活かしていかなければならないのではないでしょうか。
特に日本では日本の文化や風土に適した経営、「湿り気のある人間関係」を大切にしながら個性を活かしつつチーム力を強化する「農耕型企業風土」づくり(『これからの社長の仕事』に詳述)が大切であるとの私の主張に意を強くした次第で、これを主題としてこのビジネスコラムを書き続けています。
Related Posts
コメント1件
松下信武 | 2013.01.31 22:23
4月のコーチング品質保証コミュニティでは、農耕型企業経営とグローバル経営について、留岡さんが話をされます。どんな議論になるのか、たいへん楽しみです。