


折々の言葉 / 本物の戦略
実のある戦略を樹てていますか?(2)
経営戦略の策定に当たっての留意点で、前回のつづきです。
4.マーケットの総論を煌びやかに表現しない
一般的なマーケットの流れを記述しているのみで、自社にとっての重大な課題には取り組んでいない戦略も危険です。つまり総論の披瀝のみです。
しかもどこの評論家も指摘している客観的な事実情報を、さも大事の事実として指摘するもので、それと自社の事業が具体的にどうリンクして自社がどう影響を受けるのかの一番重要な接点部分にほとんど触れられていないことが多いのです。
したがって、このような戦略は本質的なことが本当にわかっている人には、「それでどうなの?」「それで当社にとってどんな特色あるビジネスモデルになるの?」との指摘を受けるのは日の目を見るより明らかです。
5.寄木集め的なものにしない
さらに、およそ戦略という代物とは似て非なるものもあります。おそらく、戦略策定者の主体的な意思が明確でないか、全体構造が描けなかった帰結としてこうなるのかもしれません。
各部門からの計画を、表現を少し変えて網羅している状態で、部門計画の寄せ集めの「平面的寄木細工」です。部門の業績目標が名前を変えて戦略目標としてなりすますことが多くなり、会社として全く不幸なことになります。
どの策をどういう順序でどう講じると会社としての成長・発展に早く近づけるのかの道標ルートとつなぎが全くありません。全体構造に基づく戦略道標のルートを選択できるオプションも反映されていないのです。
6.専門用語で煙に巻かない
専門用語や業界用語を多用しているものを見受けます。内実を伴わないことが多いのに、立派に見せるためにドレスアップする方法です。一般の人が普段触れることが少ない用語で「煙に巻く」ものです。
私も何回もこのことを経験しました。
その時には、「立派なことを報告する人だな。」となんとなく思うこともあったのですが、じっくり考えてみると、その報告者はあまり本質的なことを言っているわけではなく、専門用語を散りばめて内容のないところをカモフラージュしているのみだと気づきました。
そのようなエセ戦略家が会社の経営ポジションにいるとしたら、その会社の社員にとっては非常に不幸なことなのに、皆それに気づいていないかもしれません。
経営者の立場で私はそのことに気づいていました。
「難しいことを丁寧な言葉でわかりやすく説明するのが、本当のプロです」と、事あるごとに報告者を戒めていました。子供に分かりやすく説明する時には、本質的なことを相当詳しく知っていないことには理解されないのとほぼ同じことです。
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