園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム 園山征夫のビジネスコラム

折々の言葉 / 語り継ぐ経営

幸せなビジネスマン人生をおくるための選択(2)

Posted on 2014-12-04

前回の続きです。

 

この頃の起業は慎重な判断

 50歳頃から起業する人を見ます。大変尊敬します。

 しかし、成功の確率は1%以下と思うべきでしょう。理由は、50才までサラリーマンとして会社で飼いならされた人が、いきなり大きなリスクを取れる体質をそもそも持ち合わせていない人がほとんどだからです。私の周囲でもこのような人が沢山いました。

 前回述べた通り、私は40才頃に会社の経営を任されましたが、実はそれ以前から、何とか自分で会社を立ち上げ経営してみたいという考えが、常に根底にありました。従って、実質倒産状態の会社と後で分かったのですが、その会社の社長の指名を受けた時は最大のチャンスと奮い立ちました。この会社を大きく立派な会社にして社員を幸せにしようと、起業家精神でわくわくしたのを覚えています。リスクテーキングの準備が既に出来ていました。親会社からの出向扱いも自ら返上して、自分が経営を託された会社に骨を埋める覚悟を持っていました。

 40歳の頃に来たからこそ、経営リスクを取れる年代でした。一般のサラリーマンと違い事業家のDNA、果敢にリスクを取れる体質も持っていたと思います。

 私のこの経験を考慮すると、50才代のどの様な人に起業を勧めるかです。技術やノウハウで相当の差異化がある人ならOKです。しかし、単にサラリーマンとして飼いならされそこまで来た人では、経営のリスクテーキングの重圧に耐えられるか心配です。リスクを取って起業するなら、普通のチャレンジングな人にはもう少し若い30才代か遅くとも40才代での決断を薦めます。以後のビジネスマン人生の幸せ度が違ってくると推測します。

 

定年後のことを見据えた準備

 50才を過ぎても、残念ながら自分にとりたてた能力が無く会社の中での見込みが薄いと考える人もいるかもしれません。

 そのような人は、残念ですが自分のビジネスマン人生にみきりをつけるのも一つの考え方です。何も会社が全てではありません。昇進のみで人間の価値が決まるわけがないからです。定年後をいかにハッピーに過ごすかを考え、そのための準備に精を出すのも一つの貴重な考え方だと思います。

 しかもこの準備には、すぐ取り掛かることです。「定年になったら・・・をする」という発想で我慢しても、まず上手くいかないと考えるべきです。できないことが、将来出来るとは思えないからです。突然責任を負い会社を去ることになるかもしれません、突然病気になるなどなど、いろいろ予測不能な将来も待っています。

 私の周囲でも、「定年後には・・・をする」と将来のことのために我慢して「今を過ごす」人もいますが、その通りになった人をあまり見ていません。それより、今を充実した生き方が本人にとって幸せだと考えます。

 準備のためにすぐ行動に起こすのが得策と考えます。晩年の人生のバランスシートで共通の失敗は、今やりたいことを定年後に先送りすることです。旅行、遊び等なんでも良いのですが、楽しみを先送りしても、それの実現が約束されない不測の事態が起きる可能性が、年齢と共に高くなることを考えれば、そのような選択は愚の骨頂ではないでしょうか。

 

転職の選択

 50代での転職も良いかもしれません。

 しかし、環境が激変することを覚悟してください。転職を機に、住む場所が変わるかもしれません。海外勤務になる可能性もあります。友人も変わってきます。これらのことを総合してその年代での転職のメリット、デメリットを判断されることを薦めます。

 貴方に本当に技術力やノウハウがあるかをしっかり見極めてください。サラリーマンとして会社の名前で商売をしていたことを、自分の実力と勘違いしている人を見るからです。このことを肝に銘じてこの選択されることをお薦めします。

 幸せなビジネスマン人生を送るために、多少のヒントになったでしょうか。

Related Posts

 

Comment





Comment